このところ妙な夢ばかりを見る。
彼と僕が、ありえない関係に至る、その熱や感覚までもがリアルに再現される、そんな夢を。

ちょうど帰りのラッシュに巻き込まれた満員電車の中、押しつけられた彼の皮膚に彼に触れた瞬間、その感覚は異常なほどの既視感となって僕にふりかかってきた。まずい、と思った。これ以上は、まずい。本能的にそう思うのに止まらない。乗客から庇おうとして閉じこめた彼の身体、わずかにのぼる汗のにおい、首筋に鼻を寄せる。彼からなんらかの抵抗があればすぐにでも止めるつもりだった。それなのに、彼はなにも言わない。どこかで確信していた。夢の中で見たように、彼も僕を受け入れてくれるはずだと。だって、彼は待っていなかったか? ふと視線を合わせたときに、会話に端々に、彼が覗かせていた気配がここ数日で色濃くなってきたのはきっと気のせいなんかじゃない。

電車の揺れのせいにみせかけてくちびるでうなじに触れた瞬間、彼が身体をふるわせた。まるで――待っていたかのように。
振り向いた顔の、赤く染まった眼尻の下、その色に僕は見覚えがある。ガラス越しに映る僕の表情だって、きっと彼は知っているはずだ。

抑えきれなくなりそうな欲求をこらえて家に帰った。
想像で汚したことで自己嫌悪に陥るなんて、いまさらだ。


ああ、でも。
現実に感じてしまったこの熱を手放すことなんて、



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