どうか、忘れないでくれと誰に縋り付いてもリセットされる世界ならばいまこの瞬間に終わらせることができるのだろうか。たとえば、この狭い部屋の中だけが現実であるように、どうにかして主軸をずらすことはできるのだろうか。そんなことばかりを何度も何度も考えて、まるであいつの思考回路を埋め尽くすようこの身体だけを武器にしている。快楽におぼれて、何もかも忘れて、投げ出してしまえばいいのに。そうすればもう二度と、きっと。
充電が切れかけた携帯電話で、長門に預けたのは微かな希望だ。俺が選択する方法などわかっていて、それでもあいつは頷いた。長門に、その権限がないことも知っている。でも何もかもすべて、終わった後ならば伝えてくれるだろう。たとえば俺に、次があるとしても。 ないとしても。
リセットボタンが押されたその時に、いなかったらどうなる? それでも、俺は呼び戻されるだろうか。
そうだとしても、俺は今の古泉を手放すつもりはないんだ。なんてなぁ、どうしようもなく思考回路が迷路だ。妙に時計の針の音が大きい。ああ、最後まで、出来れば眼は見ていたいな。


なあこいずみ、俺はお前が、欲しい。

愛しているんだ。



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