今日の活動は夏休みの総括を兼ね、喫茶店への集合となりました。夏休みにすることリストにはすべて×印が付いていますが、いったい彼女がなにをやり残しているのか......皆目見当もつきません。彼も同様なのでしょう、涼宮さんのなにかしたいことがあるかという問いかけにも沈黙を保っていました。
このまま解散、となりかけた矢先、叫んだ彼の言葉はあまりにも滑稽としか言いようのないものだったけれども、そのとき、押しつぶされそうなほどに降り積もったデジャヴの重圧がふいにはじけ飛んだのを感じました。
たぶん、彼は――答えを見つけだしたのでしょう。
長門さんが僕らを見つめてなにかを言いたげにしていることに、最初に気付いたのは彼でした。そのまま三人で僕の家へ向かうことに。
なにか言いたいことがあるんじゃないか。そう告げた彼に、長門さんは――僕の目が間違っていなければ、すこし驚いたように見えました。彼からの伝言を預かっている、と彼女が伝えてくれたすべては、彼から伝えられたというにはあまりにも切実な感情で。
僕が、ずっと認められなかったもの、欲しくてたまらないのに手を伸ばすことも視線を向けることすらできなかったそれを、彼は僕に残してくれた。なにより確実な方法でもって。
パズルのピースがつながるように、夢の断片がつながってゆくのを感じる。繰り返し見る夢のなかで僕らは何度も恋をしていた。告げることのできない僕に手を伸ばす彼、それに甘える僕、告げることなく消えていった僕らと、ループにすら気づかずに消えた僕ら、がんじがらめの僕を解放しようとした、一つ前の彼の選択。彼を愛し彼と九月を迎えようとした僕の選択も。
ああ、それにしても。
彼の頬を流れる涙は、なんてきれいなんだろう。