怠惰に溺れていっているのは古泉でも俺でもある。
気付いたんだろう?
そう聞かないのが暗黙のルールみたいに貪る。貪られる。
外の嵐が止まなければいい。 なんて思っても無駄だと分かってあいつを縛り付けている。
そうすればまだ、お前は俺のものだと思えるのに。 錯覚でもいい。今の俺にはこの瞬間だけが真実なんだ。 まるでそれが当り前のようば気付けば古泉は俺のすべてを享受している。何を考えているんだ? なんて、もう考えない。口伝いに渡した栄養素が、あの腹の中で古泉の一部になればいい。
送られてきたメールに、差支えないような返答を返すのにも慣れた。
衝動のまま雪崩れ込む情事の気配だけが、この部屋を支配している。あいつから伸びてくる指先を誘い込んでいるのは、俺の方だ。
早く堕ちてこいと、莫迦みたいに繰り返す。
お前のすべてがおれのものになる方法を、幾つも想定してみて少し笑えた。
ああ、どうしたって世界が神様のものなのだとしたら、錯覚くらいは味わうことができるだろうか。
この手で。