自棄になったんですかなんて、聞かれてもわからない。
確かにこの夏の暑さでやられたのかもしれないけどな、今更、気付いた全てに確かに追い立てられている。それでも何で、そんなものに引き摺られなければならない。そう思っているのに自分の熱がおさまらない。
何度も何度も繰り返し、昨日から夢を見ては跳ね起きている。
俺の、身体に触れる指先なんてものを想像したこともなかったのに、どうして。
狭い車内で僅かに触れた体温が、吐息が、忘れられなくて結局あいつの家に駆け込んでいた。
知らない筈の部屋番号を、覚えている俺がいて、ああなんだ、なんてどうしてかそんな事で実感した。
繰り返される夏休みの、これは僅かに一欠けらでしかないのだと、ただ理解している。
あいつの前に曝け出した身体も、誘うように触れた俺自身の熱も、なにもかも、すぐに忘却の彼方だ。
それでも触れたいと、思ったのも、あいつがこんな顔をするのかとたまらなく嬉しくなったのもきっと、すべてが積み重ねだ。
なにもかも、見えていないまま。わからないまま、重ねた身体はまだ僅かに重い。同じ布団に潜り込んだままのこいつに、抱いていた感情が確かだった時があるんだろうか。俺にはまだ、わからないのに。