ハゼ釣りに行ってきた。大会があるんだそうだ。
何にでも大会ってのは付き物なんだな...存在も知らなかったぞ。
釣りなんざ随分と久し振りだな、と思いながら挑戦したんだがどうにもこうにも慣れないように格闘している古泉があまりに危なっかしく、気付いたら用意を手伝っている俺がいた。
ま、そんなことをしようがしまいが、釣れるわけもないんだがな。
いつだったか、ハルヒが盛大に釣りあげていたような気がするな、と思ったのは釣れなかった俺たちに一匹くれたおっさんがいたせいだろうか。ハルヒが生き生きと魚拓を命じてきたので古泉にやらせてみた。なに、深い意味はない。小魚も釣れないでしょんぼりとしているような気がしたのさ。
とか帰ってから書いてみるのは何だろうな......
捌いてもらった魚の味を、別の方法で覚えていた気がしたからだろう。
行ったこともない家の間取りを、不意に思い出すような感覚も、夏の暑さも。
どうしたって意識したこともなかったようなあいつのいろんな顔が脳内に浮かんでくる。
あの仮面のような笑い方をひきはがしたいと思うのは、過去の俺からのメッセージだろうか。ひとりで膝を抱えて泣いているような、手を伸ばそうとして伸ばせないような、そんな臆病な子供に、俺は何ができるだろう。